第40回ダラスカップ記念大会結果所感

《所感》

第40回という記念すべき大会となったダラスカップも、メキシコの強豪ティグレスの2連覇で幕を閉じました。
この40年という大会の歴史の中で、約20年以上日本のチームをマネジメントしてきました立場として、各カテゴリーの結果の前に以下のような所感を述べさせていただきます。

大会内容について

この大会も現在約20ケ国以上、250チームに近い参加チームを誇る規模になりました。いかにも<多様性>国家アメリカを象徴する事象です。大会のエリートグループであるGordon Jago Super U-19、Universion Deportes Super 14’sを軸にU-12~U-19まで世界のビッククラブ(フランクフルト等)、メキシコリーガX、MLSアカデミー、全米上位ランクチームが揃う非常に競技性が高い大会の質を維持しつつ、もう一つの特徴である<ホームステイ>(海外チームのみ)をベースにした国際交流というプログラム(ダラスカップエクペリエンスという)は、世界のビックな国際ユース大会でも極めて稀なことです。人種・民族・文化の多様性が実感でき、グローバル人材育成に不可欠な<読む><書く><話す><聞く>という世界共通語の英語を鍛える生きた語学研修という場を備えた国際大会です。

日本からもこうした点を評価され、日本代表、柏レイソル、サンフレッチェ広島、浦和レッズ、京都サンガ、ジュビロ磐田等のJリーグアカデミー、前橋育英高校、東福岡高校、流通経済柏高校、流通経済大学等多くの強豪チームが参加してきました。2017年前橋FCU-15、2018年前橋育英高校U-17が何れもノーマルグループではありますが、初めての日本の優勝チームになりました。残念がらエリートグループでの優勝は残まだありません。過去最高位は柏レイソルがマンチェスターユナイテッドを破った準優勝です。
ご存知のように日本のJリーグとアメリカのMLSはほぼ同時期にスタートしましたが、世界の強豪を破っての優勝はMLSのFCダラスのみです。しかし両国のチームが絶えず覇権争いに加わる日もそう遠くはないと確信しています。
さらにこの大会について強調しておきたい事として、所謂国際親善を主とした他の大会と一線を画してる点です。それはガチンコの“真剣勝負”の大会だということです。そこではタフに“勝ち切る”事が最優先に要求されます。いかにもアメリカ人が好む事ですが、ワールドカップも含め結果が全てという最もフェアでクリアなマインドに沿っていることです。日本人は技術・戦術眼ではすでに世界の高水準にあります。ただこの“勝ち切る”というマインドが世界という場ではなかなか発揮できません。“勝ち切る”ためには何が必要なのかというマインドを鍛える大会でもあります。
そうした意味ではティグレスに代表されるメキシコのチームは、サッカーとは“戦い”であるということを十分理解しています。
レギュレーションにおいても、この大会は45分x2(U16~19)を堅持しています。ヨーロッパの有名な大会では、30分以下x2というのが一般です。
又予選リーグ1位のみ(或いはワイルドカードチーム含む)が決勝トーナメントへ進めるというのも、こうした勝負の厳しさ・非情さを知ることにも繋がります。
日本のチームにはまだまだ欠けているマインドです。この大会を通じて、勝者のみが評価されるグローバルマインドを是非鍛えて欲しいと思います。

留学・交流提携プラットフォーム

ここ数年、この大会も新しい面を見せております。先ず1つ目は、他の国際大会にも共通する選手の<商品見本市(Show Case)>という側面です。そして2つ目は、チーム同士の交流提携です。
前者で顕著になってきたのは、主にアメリカの大学からのアプローチ、又はアメリカ大学へのアプローチというプラットフォーム機能がより強くなってきたということです。今回も韓国のチームが盛んにアメリカ大学コーチにアプローチしていました。
日本もアメリカも高校・大学スポーツが盛んな国です。又スポーツ文化の土壌にもなっています。そういう類似性がベースにありながら、グローバリゼーション・デジタリゼーションの世界の潮流の中で、<多様性>を求める動きが日本のチームに薄かったのも実情でした。
具体的には<少子化>、それに伴う実質的な<移民受容政策>が不可避になっている現在、日本でも、既にサッカーだけに限らず多くの混血系アスリートが活躍するようになっていますが、この流れはますます加速していくでしょう。
サッカーというスポーツは<多様性>そのものです。
<多様性>に順応していく柔軟性、最適性が今後日本サッカーの土壌に今後より求められていく時代に、既に入っていると思います。

少し横道に逸れますが陸上競技では、サニーブラウン選手がアメリカ大学で活躍しています。彼の志望理由として、単なる陸上競技者としてではなく、将来の職業選択としてスポーツマネジメントに興味があり選んだという発言がありました。
そのときに、アメリカサッカー界ではファーストキャリア(競技者)とセカンドキャリアという区分けがなく、あるのはファーストキャリアという考え方だというのを聞いたことがあるのを思い出しました。大学を選ぶときに仮に選手としてのキャリアを冷静に考え、その後の長い人生を生きるキャリア形成を大学在学中に備えるということです。
もちろん日本の大学にもそういう潮流はあるとは思いますが。
人生のキャリア形成においてアメリカの方がより主体性が高いと思われます。選手としての寿命を冷静に考えて大学を選ぶということです。
そしてそれはセカンドライフとして人生に生かされます。日本の選手にとって、ヨーロッパも含め、全世界が視野に入った<多選択肢>の時代になっているということです。

因みに昨年優勝した前橋育英高校U-17の選手3人へアメリカ大学コーチからのオファーがありました。
次にクラブ交流提携としては、現在前橋FCにダラスの地元チームからの話もきています。日本のサッカーが評価されてきていることの証明です。

又高校年代では、国連が定めたSDGs(国際社会共通の目標)教育に沿って、このダラスカップを活用しようとする動きが出てきています。

ダラスカップという大会が、いろんな意味で<プラットフォーム機能>を有している大会として、今後新たな価値を生み、より広く受け入れられていくことを望みます。


《 大会日程 》

第41回ダラスカップ大会
2020年4月5日(日)〜12日(日)

《 大会開催地 》

米国テキサス州ダラス

《会 場》

Classic League Soccer Comples at Richland College
(住所:9500 Walnut St. Dallas, TX 75243)

Money Gram Soccer Park
(住所:2100 Walnut Hill Lane,  Dallas, TX 75229)

Cotton Bowl Stadium
(住所:3750 The Midway,  Dallas, TX 75215)

Toyota Stadium and Complex
(住所:9200 World Cup Way, Frisco, TX 75033)

《 カテゴリー 》

U19大会 2001年 1月 1日以降生まれの選手対象
U18大会 2002年 1月 1日以降生まれの選手対象
U17大会 2003年 1月 1日以降生まれの選手対象
U16大会 2004年 1月 1日以降生まれの選手対象
U15大会 2005年 1月 1日以降生まれの選手対象
U14大会 2006年 1月 1日以降生まれの選手対象
U13大会 2007年 1月 1日以降生まれの選手対象
U12大会 2008年 1月 1日以降生まれの選手対象

《 主な大会規定・ルール 》

【プレータイム】
☆U19、U18、U17は45分ハーフ
☆U16、U15は40分ハーフ
☆U14、U13は35分ハーフ
☆U12は30分ハーフ

【大会方式】
☆グループリーグでの総当たり戦の後、グループ上位チームがベスト4もしくはベスト8の決勝トーナメントに進出する事が出来る。(カテゴリーにより、参加チーム数により、大会フォーマットが異なる)

☆グループリーグは勝ち=勝ち点3、引分け=勝ち点1、負け=勝ち点0での勝ち点制とする。
勝ち点で並んだ場合は、以下の項目順に順位が決定される。
(1)得失点差
(2)総得点
(3)直接対決の結果
(4)フェアープレー指数(イエロー・レッドカードの数)
(5)大会判断

☆決勝トーナメントでは、Gordon Jago Super Group U19のみ同点の場合、10分ハーフの延長戦が行われる。それでも同点の場合は、IFABルールに則ってPKで勝者を決める。それ以外のグループは同点の場合、IFABルールに則ってPKで勝者を決める。

エントリー人数はU12を除いて22人までとする。尚U12は18人を上限とする。尚、U12は9人制で行われる。
又各参加登録選手は必ずその国のサッカー協会に所属しているものとする。

【選手交代】
☆U19、U18、U17、U16、U15のカテゴリーは、ベンチ入りメンバー7選手中、6選手まで選手交代が出来る。
再入場は不可。
☆U14、U13、U12カテゴリーは7選手まで交代が出来、再入場も可能。

【警告・退場】
☆試合中、レッドカードや累積2枚目のカードを受けた場合は、次の試合出場停止となる。
☆決勝トーナメントに進出した場合、グループリーグで受けた1枚のイエローカードは抹消されるが、
累積2枚となった場合は、決勝トーナメント初戦は出場停止となる。
☆いずれの場合も、悪質なファールだった場合は、大会側より上記以外の特別措置が取られる場合がある。

2019年の大会の試合結果


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2018年の大会の試合結果


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