前橋FC・湯浅英明監督の談話 

前橋FC・湯浅英明監督より、以下の談話が届きましたので、ご紹介します。

「昨年に続き今年で4回目の出場となりました。例年通り日本では体験できないサッカーとホームステイを今年も経験させてもらいました。
 サッカー面では毎年ですが体格の差(フィジカル)を活かし、球際や懐の深さ空中戦からのセカンドボールの奪い合いでは日本の中学年代でこの厳しさを経験することはとても勉強になると思います。特にアプローチの間合いはボールへのアタックするスピードと迫力は日本ではなかなか経験できません。180cmオーバーの選手がトップスピードでボールを奪いに来ます。たいていの選手は慌てて1stタッチをしてしまいミスにつながります。これは日本の練習環境で守備のアベレージが上がっていかないと解決はできないと思っています。日本は攻撃の練習が多く選ばれていますが攻撃を良くするには守備側の選手へのアプローチをしっかりと行い続けることで解決できると思っています。逆に言えば攻撃側はパスのスピード、コントロールの質、パス&ムーブといった当たり前の技術を上げていかないとこの様な体格差のある選手と戦って勝利することは難しいと思います。
 昨年(第38回)にU15の部で優勝しましたが、準々決勝のフランクフルト戦(ドイツ)は体格も大きく190cm以上が1人、180cm以上の選手が4人、その他の選手も175cm以上とスピード・パワーは到底かないません。そういった中我々のチームが採った戦術は横へのドリブルを有効に使う事でした。前後の動きには相手選手はパワーがありましたが、横の動きは日本人特有の細かく速くの対応(守備)に苦手な所と感じました。現にヨーロッパで活躍している日本人のサイドアタッカーが得意なプレーはカットインからのシュートorパスです。この様に日本人の特徴を活かすことが世界と戦っていく術だと思いました。それと海外の選手は体格の問題なのかわかりませんが、強くボールを蹴れる習慣がありそれを止めるといった事を日々の練習で出来ています。日本人は筋力の問題かわかりませんが意識しないと強いボールを蹴れません。この日常の当たり前のことも意識して取り組む必要があると感じました。いずれにせよ体格差から生まれるものを技術と判断力と運動量そして一番はメンタリティーだと今回も改めて感じさせてもらいました。
 もう1つこの大会の特徴といえるホームステイプログラムは選手が2~3名で10日間全く知らない環境で生活をすることです。Dallasの方々はとても親切で我々日本人の規律にとても関心をよせていました。選手は様々な手段を使ってコミュニケーションを取っていました。日本にいれば親になんでもしてもらえる環境から一変して様々な事を自らで伝えるという普段ではしない行動を経験することもとても貴重ではありました。そしてこれを機に英語への興味が湧き将来への1つのキッカケになれるのではと思います。これからはグローバル社会ともいわれる中で、日本の普通と海外の普通の違いなどにも触れる事が出来たのではないかと思います。大会を通じてサッカーと文化の両方に触れられる最高の大会であります。今後も参加して選手の貴重な経験となり財産になってもれえればと思います。」

前橋FC・湯浅英明監督

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